マネージャー目線で綴る
【マネージャー日記】シリーズ。
今回は日頃よくいただくご質問のアンサーとして
マネージャーとしての本音と芸能事務所の
存在意義について書いてみたいと思います。
いつもよりちょっぴり長くなってしまいましたが
・業界のお仕事に興味はあるけど騙されたら怖いな
・実態がよくわからなくて心配だな
という方にぜひ読んで頂けたら嬉しいです。
▼ 前回の記事はこちら ▼
人生を変えるチャレンジー 挑戦する人、しない人 ー
お金がかかる芸能事務所はあやしい?
エースのご応募いただいた方やご応募を検討
されている方から本当によく頂くご質問が
「費用はかかりますか?」というもの。
まず初めにお伝えしたいのはエースに限らず
基本はかかるものだと思って頂きたい、ということです。
もちろんかからないケースもあります。
エースも費用負担なしでお預かりするケースもあります。
中にはお金だけ預かって営業実態のない事務所も
あるのかも知れませんが、基本的に大手から中堅、
新設の芸能事務所まで、ほとんどの事務所では費用がかかります。
そして費用がかかること自体は自然なことなので
費用がかかる事務所=あやしい、という事ではありません。
ちなみに費用が発生することについては
応募する側がトラブルに巻き込まれないように
きちんと特商法という法律で整備されています。
なんでお金がかかるの?
普通のお仕事は面接を受けて採用されれば
お金はもらうものであって、
払って働くものではないですよね。
だから事務所が合格にしたら、必要経費は事務所持ちでしょ!と思われるのかもしれません。
なぜモデル側に費用負担が発生するのか、
それはモデル・タレントが個人事業主だからです。
例えば、これから開業するエアコンクリーニングの
個人事業主だとします。
仕事として対価を得るためにはお客さんから
クリーニングの依頼を受けないといけません。
飛び込みでエアコンクリーニングしませんか?と
営業するより、クリーニングをしたいお客様がいるとわかっている所へ営業した方が早いですよね。
そしてお客様も仕事を始めたばかりの
実績のない方に仕事を任せるのは不安。
モデルも同じです。
資格があるわけではないので、名乗ってしまえば
その日からモデル(自称)になることはできます。
でも実際に仕事を依頼する側からしたら
実績のないモデルに任せていいのか、と不安になるわけです。
そこへ事務所の登場です。
事務所がこのモデルは大丈夫ですよ!
こんな魅力があってこういう撮影にぴったりですよ!と第三者の立場から売り込むわけです。
この事務所さんのモデルさんなら間違いないね。
と依頼側も安心できる。
モデル側も実績がなくても仕事のチャンスがある、
ということになります。
ただ、冒頭でお伝えした通りモデル・タレントは
個人事業主。著名な芸能人で独立して仕事する方が
いるように、実績や知名度、業界のノウハウがあればひとりでもやっていけるのです。
事務所というプロの手を借りるから
そこに対価が発生しているのです。
ちなみに弊社は今お伝えしてきたような
プロとして仕事をするために業務の一部を担う
マネージメント契約ですが、
業界には養成所やスクールもあります。
養成所やスクールは技術の習得や
スキルアップを手助けするところ。
将来第一線で活躍することを目的とした
若者向けの狭き門の養成所もあれば
ミセスやシニアを中心とした
習い事感覚の養成所まで様々です。
養成所やスクールがいいのか、
仕事のためのマネージメント事務所がいいのか、
それはどちらが良い、ということではなく
目指す人の目的次第なのです。
事務所の役割
ここ最近、芸能人の方の不祥事が
ニュースを騒がせていました。
長年在籍した事務所から独立して
ご自身で芸能界の復帰を模索されていましたが
復帰作となる予定だった映画の撮影からの帰路で
交通事故を起こしてしまいました。
先ほど個人事業主だから一人でもできると
書きましたが、営業もスケジュールの管理も
台本のやり取りや打ち合わせも、現場までの移動や
必要なものを揃えることなども大変なことばかり。
サポートしてくださる方も居たようですが
多くの方が事務所が送迎をしていたら
事故は起きなかったんじゃないか、
一連の騒動にならずに済んだんじゃないかと
思われたと思います。
事務所の最大の目的の一つは
所属モデル・タレントを守ること。
事務所が不祥事やスキャンダルをもみ消す
とよく言いますが、本当は
不祥事やスキャンダルが起きないように
守っていくのが役目なのです。
最近は色んな業界の暗部がニュースになったり
芸能人の独立も相次いで
芸能事務所の存在意義が揺らいでいるように
見えるかも知れませんが、
安全に、より確実に業界で活動するために
芸能事務所って頼りになる存在だよ!
と声を大にしてお伝えしたいです笑