マネージャー目線で綴る
【マネージャー日記】シリーズ。
前編・後編に分けて綴っている今月のマネージャー日記。
お題は「モデルタレントに欠かせない素質」について。
今回は後編です。
▼ 前編はこちら ▼
モデルタレントに欠かせない素質-前編-
➖ ルックスよりも大事な素質
前編では「ルックスは大事だけれど、ルックスそのものより心がけが大切」とお伝えしました。ここでルックスよりも大事な素質についてお伝えしたいと思います。
それは、私たちエースでは面接の時に重視しているポイントでもある、コミュニケーション力です。
モデル・タレントのお仕事は、会社の組織の一員となって働くのとは違い、日々の撮影現場で求められた仕事をするという、ある意味瞬発力の求められる仕事です。
舞台や映画などある程度の時間をかけてスタッフや共演者とわかりあっていく、という時間はないのです。(長時間拘束されないからこそ、本業があってもできるというメリットもあります!)
限られた時間の中でより良い作品を作ろう!と一致団結していく中でコミュニケーションが上手に取れないと、なかなか足並みが揃わない・・・
これは結構現場としては死活問題なのです。
特別にコミュニケーションが上手ではなくても、きちんと目的を理解して、スタッフや共演者と意思疎通ができる。これは結構大切なことなのです。
➖ 察しが良いひと
一般的な知名度が無くても、人目を引く華やかさがなくても、業界で引っ張りだこな人もいます。
決まって皆さん〝察しが良い〟のです。
例えばCMの撮影で監督からカメラ目線でひと言、「おいしい」って言ってくれる?と指示が飛ぶ。
指示通りカメラに向かって「おいしい!」と言ったけど、カメラ越しの監督はちょっと無表情。
この時に「あれ?監督の求めてた演技と違ったかな」と気付けるかどうか。これも察しの良さです。
ここですぐさま、もっと元気な感じでもう一回やってみてもいいですか?とか、きっと監督のイメージはこうなんじゃないか、と歩み寄れればもっといい。
新人は10回20回やっても「おいしい」がうまく監督のイメージ通りに行かない、なんてこともあります。
ただ、1回2回でうまくやれるかどうかより(もともと新人だとわかって採用しているので高度なスキルは求めていない)、歩み寄ってどうにか求めに応えたい!という気持ちがあるかどうか、なのです。
難しいようですが、実際には皆さん私生活では自然とやっていると思うのです。
家族や友人、職場、色んな場面で「こうしてほしいのかな?」「これは違ったかな」と表情や声色、仕草から感じとっているのでは?
監督もほかのスタッフも、共演者もみんな同じ人間。
お互いに相手の様子を見て、察しながら応えてコミュニケーションを取りながらつくりあげていく。
現場の面白さの1つだな、と思っています。
業界一筋20年。
モデルにはモデルの、マネージャーにはマネージャーの求められた役割をどう果たせるか、今でもマネージャーとして関わる現場の1つ1つ、ドキドキします。
そして、監督やカメラマン、ヘアメイク、スタイリスト、色んなプロフェッショナルと共にどんな作品を作り上げていけるのか、携われる喜びにワクワクしています。